ecobaiの嬉しい食材日誌

農産物の土づくりを通してふれ会った、生産者との日々のやりとりを綴ります。

薩摩黒毛和牛「小田牛」@DEAN&DELUCA

まずは皆様、

「有難うございます」

先日、鹿児島から和牛生産者の蜜澤さんが上京して下さいました。

DEAN&DELUCA様の月末祭、テーマが「南九州」

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4/26~29日の4日間。

熊本・鹿児島の厳選素材で作る美味しいデリが並びました。

日頃お世話になっている方々の素材。

全店での展開に心躍りました!

どうです?この綺麗なお肉。

これが薩摩黒毛和牛「小田牛」です。

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約4000頭を育てる大規模な畜産農家「小田畜産」

「家族が美味しいと笑って食べる牛肉を皆様の食卓へ」会社の基本理念です。

肉の品評会での輝かしい数々の受賞歴。

そしてここは、生産農家(仔牛を作る)と肥育農家(育てる)を兼業しています。

通常は生産か肥育のどちらかです。

一般的には畜産農家が肉を販売する事はありません。

生産者~卸~小売店~消費者へ。

今回のこの肉、作った本人だからこそわかる目利きで良い牛だけを買戻してます。

だから同じランクでも「物」が違う。

同じ餌、同じ水でもそれぞれに「個性」があるそうです。

そこを見分ける事ができるのは育てた農家だからこそ!

そのお肉がこんなに美味しいお料理になりました。

軽く燻製し熊本の甘夏をソースにしたもの。

ローストし水田ごぼうと合わせたもの。こちらは脂が濃い部位を使ってました。

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 「いかに素材を生かせるか?」それぞれの調理長様が考えて下さいました。

そして最も感動したのは、「店ごとにお料理が違う」という事。

品川店と六本木店では全く違うのです。

同じ素材を7店に送りました。

それぞれの料理長が、それぞれの店の特徴を活かし、美味しいデリに仕上げる。

似た料理も、もちろんあるでしょうが、なんというクオリティの高さなのでしょう。

7通りの料理法が出来上がるのですね。全店、行きたかった!!!

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タコと熊本のピッコラカナリヤとトマトベリーのマリネ。

緒方のじーちゃんの甘夏とデコポン、肥後赤茄子のサラダ。

新玉ロ―ストもトロケル甘み。

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 本当にうれしいですね。素敵なお料理にして下さった。

この素材を種の頃から畑で見てきたからこそ、「野菜の晴れ姿だ!」と言えます。

 

小田牛の生産者蜜澤さん。

品川で美味しそうに小田牛料理を召し上がるお客様を見つめ、男泣きしてました。

その姿、一生忘れません。

ひたすら真面目に、少しでも良い物を言う志で、人生を掛け、食べ物を育てる。

そして、素敵な料理に変身させてもらって、笑顔で皆様に食べて頂ける。

生産者冥利に尽きますね!

素材を活かして下さるお店の方々、食べて下さるお客様、作って下さった生産者。

笑顔のトライアングルを共感させて頂きました。

ありがとうございます。感激で胸が一杯。

 

真剣に写真を撮る密澤さん。

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鹿児島で待っている会社のみんなに見せる写真です。

「肉をカットしたパートさん達に食べさせたい!」

「あの人にも・・・この人にも・・・」

 

お料理になるまでに、たくさんの方の手を通して素材は運ばれます。

その一つ一つを担って下さった方に食べさせたい想いで一杯なのです。

次の日、たくさんお土産に買って帰られたようです。

そして、会長様にもお褒めの言葉を頂けたとの事。

今の小田畜産を築かれた方。

「素材を生かしてくれている」

鬼瓦のような会長のお言葉です。

心底、ホッと致しました。

遠い鹿児島での皆様の嬉しそうな情景がここ東京にも伝わって来ます。

私も、もっともっと喜んで頂ける機会を作る努力を致します。

蜜澤さん!ありがとうございました。

次は鹿児島で!

南国の風@鹿児島南九州市頴娃町・さつま町

3月中旬のなのに、初夏の陽気。暑いぜ鹿児島。

櫻は満開!東京の皆様よりも一足先にお花見。

もう一つ、お茶の新芽の「新芽見」です。

美味しそうでしょ?ぷっくりしてて。

旨いお茶は見ただけでわかります。

黄緑色でフカフカです。

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今年はいつもより早いそう。

新芽が5枚出れば茶摘みが始まります。

これはもう6枚目も出てる。

こちらがこの茶園の主、下窪健一郎さん。通称「シモケン」です。

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下窪勲製茶の3代目。

鹿児島茶の伝統を背負い、茶業に新しい風を吹かす事のできる男!

下窪さんの畑には県の同業者が常に視察に来ています。

ここのお茶が何故旨いか?

よくよく考えてみました。

お茶の土壌は弱酸性を好みます。(野菜はほぼ中性)

しかしここの畑はph3.2。

驚くほどの強酸性。何故健やかに育ってる?

ポイントは発酵堆肥にありました。

乳酸菌、光合成菌、放線菌を巧みに操り、強酸性でも強く伸びやかに根を張らせます。

根っこが健全でないと、新芽も出ません。栄養が葉先まで行かないのです。

マニュアル通りの茶作りではないのが「シモケン」流。

それを面白がってやらせてくれる2代目の無口な父がいます。

だからこそ、ここのお茶が旨いのです。

飲めばわかる。

これほど力強い、そして真っ当なお茶はありませんから。

そして。

お宅訪問が楽しみな「下窪城」完成間近。

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どうです?ここは30畳の客間。

床の間の中央にくるのはもちろん仏壇。

この地域は標高が高く、クロスを貼っても湿気でダメになるので、壁はほぼ無垢材を使っています。

しかもこの家で使っている木材は全て地元の山から切り出されたもの。

外材は一切使っていません。

家が「地産地消」素晴らしい。

この地域で育った木材を使っているので、100年先も200年先も生きる事ができる家。

白い突板も、年月を経て飴色になるでしょう。

家にいるのに森林浴をしているような爽やかな森の香りが満載。

お縁の幅は一間。1800mm。お縁だけで暮らせる広さ。

地方には豊かな暮らしがあります。

都会には刺激的な暮らしがあります。

結局自分がどこにいれば心地よいか?なのかもしれません。

今はまだ両方かな。

さて今回はお茶の他に、さつま町へマンゴーを見に行きました。

「よしたか農園」さん。元は県の試験場におられた方。

ですので、作り方は完璧。

正品率90%のスッペシャルなマンゴー。

今年も皆様にたくさん召し上がって頂けます。

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さつま町は北部寄り。

朝晩気温が低いので、この時期ここまで熟しているのは珍しい。

どこよりも早いマンゴー出荷を目指しているようです。

ハウスの中はトロピカルな匂いが。

そしてこれは初めて見る。

アボカトの赤ちゃん。

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試験場ご出身ですので、面白い果実をいろいろと試しているようです。

他にもパッションフルーツ、名前を聞いた事がないような南国フルーツがたくさん。

ここのマンゴーは4月末には出荷できます。

「大和のちから」で販売予定!お楽しみに!!

鹿児島は楽しい。いつも。

吹上浜にも初めて立てた。西郷どんも立った砂浜。同じ景色を見たのかな?

今の日本をみてどう思うのだろう。

西郷どんが愛した「鰻温泉」にも入った。

鰻料理が名物かと思いきや、鰻は地名でした。

鹿児島県民は西郷どんが好き。どこに行っても「西郷どんゆかりの地」がある。

まだまだ知らない、西郷どんがありそう。

次は西郷どんが島流しにあった「奄美大島」に。

キビ砂糖の生産者を訪ねて。

ゆかりの地がいたる所にあるだろう。

そして、「島嫁」愛加那さんの話もたくさん出てきそう。

愛人と言って怒られた。「島嫁です!」と。

まだ日本は一夫一婦制ではなかったのか。

愛加那という名前が付いた黒糖焼酎がある。

とてもまろやかで香り良くふんわりと奥行きがある味。

そんな人だったのかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3回ekobai産地視察ツアー@鹿児島県

どうですか?

この綺麗な桜島。

仙巌園(磯庭園)からの雄大な眺め。

ここは島津家の別荘だった場所。

錦江湾越しの桜島を借景にした贅沢な庭園があります。

県民を悩ます灰吹く桜島。でも何度も鹿児島を訪れる度に、だんだん誇らしく、そして好きになる自分がいました。

この姿を見て下さい。

堂々と神々しい。

最近、桜島を見たいなぁ・・・と思う事多し。

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今回は海外からの参加者と一緒に、日本の中の「薩摩を知る旅」です。

東京や京都に行く事はあっても、九州の鹿児島に来て下さるなんて嬉しい限り。

今回もeobaiツアーですので、やはり発酵はかかせません。

まずは串木野「白石酒造」へ。鹿児島ならやはり焼酎。

前日、鹿児島市内の行きつけの料理屋「とまや」さんで、しこたま飲んだ白麹の芋焼酎「天狗櫻」の蔵元です。※とまやさんの大将が作る魚料理は絶品!

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この時期、仕込みは終わっています。

でも丁寧に、丁寧に、蔵の中を案内して下さいました。

一つ一つの言葉がとても印象的。

ここの蔵は原料のさつま芋の生産も始めています。

「芋農家は生産量にこだわります。でも僕らは量ではなく焼酎に合う芋作りをやってます。うちのような小さな蔵は特徴を極めないと・・・」

一次産業(生産)+二次産業(加工)+三次産業(販売)。

一+二+三=六次産業。

今、農水省が、とても力を入れている六次産業化。

酒の製造業や製茶業は今更言うまでもなく、とっくの昔から六次産業化しています。

そして、もっと先の未来へと進んでいます。

やはり国民の後から政策はついてくる。

神棚の横に飾っている天狗のお面。誇らしい。

誠実に未来を見つめる「作り手」がまだまだたくさんの鹿児島です。

そして夜は薩摩料理の「熊襲亭」さんへ。

お料理はもちろん、薩摩琵琶の音色にも酔いしれた一夜でした。

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初めて聞いた薩摩琵琶はとても力強い音色。

音が歌っているようです。

一同に聞き入っておりました。本当にありがとうございます。

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もうすでに春が来ている鹿児島。鹿児島の方は春の匂いがします。

温かい「春の匂い」は参加者様に伝わったかな。

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霧島温泉妙見石原荘で頂いた、ボタン鍋の旨かった事!

天然出汁をベースに血抜きが完璧なイノシシ肉。

肉の厚さもちょうど良く、春のクレソンがアクセント。

ここのお料理は全て洗練されていて、素材の味が生きていました。

温泉はもちろん最高。

川沿いにある混浴の露天風呂を独り占め。

雲の切れ間に少しだけ星が見えました。東京で見るよりもハッキリと。

日本の温泉宿の良い時間を満喫できました。

回を重ねる度に見えてくるものがあります。

自分の国から、日常から、離れたからこそ、改めて知る自分がいます。

初日よりも2日目、3日目の方が皆さんイキイキされますね。

じんわりとその土地に馴染んでくる感があります。

地元の方と触れ合って、地元のものを頂いて、地元のお湯につかって。

たぶん人間は、とても素直なのではないでしょうか。本当は。

「鹿児島」はまだまだ奥深い。今回も皆様ありがとうございました。

次は5月の「熊本」、その次はリクエストの「佐賀・長崎」

まだまだ続くecobaiツアー。

一足先に、温かい九州の風を皆様に・・・

 

 

 

 

たにかどさんの黒豚@鹿児島県指宿市

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東京から鹿児島へ。

生産者を巡る視察ツアーで伺いました。たにかど農場さん。

エコバイの事業の一つでもある「生産地と消費者を結ぶ」事。

これはお客様の何気ない一言からスタートしました。

「どうしてこんなに美味しいのですか?一度畑に伺ってお話をしてみたいです」

そして1回目は熊本・鹿児島。

2回目は鹿児島をゆっくりと堪能。

それぞれの現場で「食べ物」を生み出している方にはストーリーがあり、それを実際に体感することは「飽食の時代」の今、とても大切なことだと思います。

生産者にお会いし、その場の空気を吸い、その環境からなる生産物を頂くと、これまで閉じていた細胞が開く感覚があります。

なかった感触が蘇る。たぶんそれ。食べ物の見方が変わります。

たにかどさんは親子で養豚をされています。

畜産は環境と餌が要。

環境は文句のつけようがないぐらい素晴らしい。

指宿市は砂蒸し温泉で有名ですね。

餌は鹿児島の特産物でもある芋焼酎のもろみ液とサトウキビ由来の糖蜜をブレンド。発酵飼料を食べさせてる。

野菜や果樹の肥料も発酵がポイント。

土壌の微生物をどのように生かすか?で作物は立派に育つか?否か?が決まります。

エコバイの農家さんたちは「微生物」を上手く操る達人達なのです。

たにかどさんの餌。

安い餌は数あれど・・・餌の中では高価な地元の特産品を使うところがミソ。

たにかどさんの黒豚は濃い赤身と透き通る白身、コク深い旨みが特徴。

鶏でも牛でも餌が脂の質を決めます。

青果も同じ。肥料が根を育て、実の味付けになります。

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 この写真をみて「うさぎさん」と子供が。

そうだね。耳が長いもんね。

たにかどさん、養豚はしたくなかったらしい。

でも気付けば、長靴を履いて慣れない豚さんとのお仕事をしていたとの事。

朝から晩まで必死で働く親の姿を見ていたら自然とそのようになったのでしょう。

たにかどさん曰く

「ブタの命は私が作ったもの

畜舎、水飲み場、餌箱、全て人間がしつけた生活のシステム

今以上に昔ながらの飼育方法に戻したい

生まれた命は責任もって育てます。」

 近代の養豚はオートマチック化されています。鶏も牛もしかり。

以前頂いた本「いのちの食べ方」を思い出した。

自分が作った命を責任持って育てます!とたにかどさんは言ってます。

しっかりと断言する本気度。シンプルだけどストレート。

その気持ちだけで、たにかど黒豚は旨いと言えます。

実際の肉もかなり美味なのですが。笑

人間は命を頂いて生きています。

野菜にもフルーツにも命はあります。

何気ない日常で、頂いている命に少しでも感謝する事って大切なのかもしれませんが、忙しく毎日が過ぎていると、そのように考えている余裕がない。

でも産地視察ツアーの話をすると口を揃えて「行きたい!」と言われる。

だからたぶん、とても欲している事なんだと思います。

観光できる、温泉入れる、美味しい物食べるだけではない、欲している何かがあって、皆様参加されるのだと思います。

だからこちらも「本気」です。

生産者の思いが気持ちよく皆様に伝わるように、しっかりとプラン、アテンドさせて頂きます。

さて、エコバイ視察ツアー3回目、16日から2泊3日の鹿児島です。

旅行代理店さんのお力を借り、リクエストの鹿児島ツアー。

4回目は初夏の熊本。

まだまだ続くエコバイツアーの行く先には、新たな絆が生まれますように。 

 

 

 

 

 

 

バイオダイナミックな野菜@鹿児島県南九州市

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 このキャベツ「みつおの野菜」です。

みつお君は、先日干し大根を見せてくれた製茶農家下窪さんの同級生。

鹿児島でお茶と野菜を作っています。

とても前向きで明るい生産者が多い南九州市

みんな良きライバルです。

そのベクトルは明るい未来に向かっていて。

継承者がなく耕作放棄地が増える一方の暗い農業界に於いて、とても頼もしい存在。

農家同士、他に負けまいと少しでも良いものを作ろうとしています。

これがみつおのキャベツ畑。

畔は草ボーボーでしょ?

除草剤、使っていません。

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みつおの栽培はバイオダイナミック農法。

バイオダイナミック農法とは?

太陰暦に基づいた「農業暦」にしたがって種まきや収穫などを行い、また牛の角や水晶粉などの特殊な物質を利用する有機栽培の一種。Wikipedia参照

牛の角や水晶粉などは使う農家さんは少ない。というか見た事ない。高価だし。

月の満ち欠けに応じ作物を栽培・収穫すると言った方がわかりやすいのでは。

先日、枕崎のスッペシャルな焼肉屋で農家3人と飲んでいた時の話。

みつお「僕の農業は月の動きによって管理をするようにしてます~」

下窪さん「です、です~。それによって管理の仕方を変えるのはここら辺では当たり前なんです~」

みつお「先日、ママさん達がたくさん畑に見学に来られて~その時、一人のママさんが何故この野菜は虫が食ってないのですか?農薬を使っているのか?という質問をされたわけですね。そこで僕は満月の前後3日間被覆すれば、虫食い野菜にはなりません。虫が野菜を食べるのは産卵を控えたその時期だけですからと言いました。そうすると、女性ですのでとても納得して下さってですね~」

下窪さん「です、です~。うちも施肥をするタイミングは月を見てやります~」

こりゃぶったまげな鹿児島の若い農家!

しっかりと先代からの知恵を受け継いで農業を経営している。

農薬は、農家さんはできれば使いたくない。

750mlで10万を超える薬もあるぐらい、とても高価なものなのです。

畑に撒く農家自身がいちばん農薬を浴びます。

浴びたくない。

でも地球の日々変わる気候の変化で、どんなに気を付けていても野菜が病気になることがあります。

人間だって、あまりに急激に寒くなったりすると風邪をひきます。

そんな時は薬を飲んで元気を取り戻すことがあります。

野菜も同じ。

病気になった野菜をほったらかしたら、他に病気を移してしまいます。

野菜の病気は広がるのが早い。モタモタしていたらすぐに畑全体が病気になる。

だから病気の野菜だけに、規定に基づいた適切な農薬を使います。

適量の程合いがわかってる。多すぎてもダメ、少なくてもダメ。適量です。

そして短期間で元気を取り戻し、しっかりと農薬が切れる時期が過ぎ、他と遜色ないほどに育ってから出荷します。

1反の畑のほんの2、3個病気が出たから農薬をかけました。

他の数百個には農薬は使っていません。

でもその畑で採れた野菜は無農薬ではありません。

一滴でも農薬を使っていたら無農薬とは言えません。

たとえ、自分の畑で使っていなくても、隣の畑で農薬を使う栽培をしていたら、その野菜は無農薬とは言えません。

農薬は風に乗り飛散する。大地は繋がっている。

月の満ち欠けのリズムに合わせて、種まき、管理、収穫しているみつおの野菜。

無農薬ではありません。

無農薬が野菜の価値ではありません。

オーガニック野菜とは有機JAS認証を受けた野菜の事ですか?

でも有機JASで使用許可されている殺菌剤や殺虫剤が山の様に有るのです。

そのような農薬達をたっぷり使った有機JASの野菜とみつおの野菜、どっちが良い野菜と言えるのでしょう?

一般的には有機JAS認証の野菜や、自称オーガニック野菜が良い野菜と思われている風潮があります。

消費者も何を選んで良いのかわからないから、なるべく自然チックなものを選びます。

食べ物は人様の口に入るもの。

薦める立場の人間が、農家の代表選手として、消費者の代表選手として正しい見識を持たなければ!と常日頃思います。

究極、野菜選びとは「誰が育てた野菜なのか?」ではないでしょうか。

みつおのキャベツを持って飛行機で東京に帰りました。

重かったけど、みつおの良心が詰まってた。

芯の柔らかさとジューシーさ、優しい甘さは、鹿児島の太陽の味がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漬物用干し大根@鹿児島県南九州市頴娃町

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頴娃(えい)町と読みます。

ここは特攻隊、武家屋敷で有名な知覧のすぐ南。

日本一の生産量、えい茶の故郷。

三代続く「下窪勲製茶」の健一郎さんと茶畑で栽培談義を楽しんだ後、

車中から見えたピラミッドのような建物。

東シナ海に向かって無数に建ってる。

「あのでっかいのはなーん?」

「あれー?まだ見た事なかったですか~?」とゆったりとした鹿児島口調。

「是非、是非!近くまで行きましょう!」とニコニコ笑いながら連れて行ってくれました。

茶畑の脇や収穫した田んぼの後に竹組みの干し台を作る。

2本の葉っぱを上手く利用し、大根をヌンチャクのようにつなぐ。

横組みの竹に等間隔に掛けていく。

吹き上げる潮風が重要。目の前には東シナ海が広がります。

 

今の季節はこのような「大根掛け」がいたるところに。

葉っぱが紐の役割です。

竹を横に渡して、大根を手作業で掛けていきます。

この大根の漬物は400年の歴史を誇る「山川漬け」

鹿児島のたくあんです。

冬の季節風と天日干しで3~4週もの長い間乾燥させた干し大根を、塩漬けして6カ月以上もの長期間、発酵、熟成をさせた本干したくあんです。

発酵ってとこがミソですね。

出来上がった茶色のたくあんは、歯ごたえ良く、するめのように噛めば噛むほど味が出る。お茶漬けにするといいですね。

小さく刻んで、油で炒め、仕上げに少量の糀醤油と一味で味を整えれば、たまらない酒の肴に。合わせる酒はもちろん、鹿児島の芋焼酎。

焼酎はスピリッツです。田舎臭いイメージはナシ!

本当は上品で気品にあふれるお酒なのです。

焼酎の話はまた詳しく!

今日は節分。一年の初めの立秋の日に新たにblog。

好きな人を、好きな食べ物を、好きな工芸を好きなだけ綴って行こうと思います。